Corel DRAWには、デザインに役立つ機能が搭載されています。グラフィックデザインはCorel DRAWだけでも可能ですが、他のグラフィックソフトを活用することでデザインの幅が広がります。
今回は、パソコンを使用して自然な風景を作成できる「Flow Scape」を使い、その後Corel DRAWに取り込んで編集する手順を紹介します。
手軽に自然の風景画像を利用
イラストやデザイン、漫画などの背景に自然の風景を組み込みたい場合、実際に自然の場所に行って写真を撮影するか、インターネットでイメージ通りの画像を検索(または購入)し、グラフィックソフトを使用して描くことがあります。 FlowScapeを使用すれば、その場にいながら簡単にイメージ通りの風景を作成できます。 FlowScapeで作成した風景画像はバリエーション豊富で、同じものはほぼありません。アングルや位置の調整も自由自在です。
実写の写真と見まがうほどのリアルな画像は難しいですが、すっきりとしたベクターグラフィックのイメージに適した風景画像(イラスト風)を作成できます。
FlowScapeのダウンロード
FlowScapeは、3DCGやCADの知識がなくても美しい自然の風景をリアルタイムで作成できる素晴らしいソフトウェアです。木や水、動物などの3D画像を簡単に生成できます。
FlowScapeの起動と操作
この記事ではFlowScapeの詳細な操作については触れませんが、FlowScapeは直感的な操作が可能なため、迷うことはほとんどありません。
マウスで視点を操作し、WASDで移動、QとEで視点の高さを調整することができます。
FlowScapeを起動するとランダムな自然の風景が表示され、画面上には木の量や気温(雪)などを調整できるバーがあります。 また、木や動物、波、風などがリアルタイムでアニメーションしており、自然の環境音や動物の鳴き声、癒やし系のBGMを聞きながら作業することもできます。
画面右側には、3Dオブジェクトの位置や方向を調整するアイコン、削除や3Dパーツ、太陽の角度設定、フォーカス範囲などのボタンが配置されています。
3Dパーツにはさまざまなオブジェクトが含まれており、気に入ったパーツを選んで画面上に配置し、季節や背景、天候、日光の当たり具合を調整し、アングルを決めて撮影します。
Corel DRAWへの画像取り込み
FlowScapeで好みのアングルが決まったら、画像をスクリーンショットなどで撮影しましょう。
作成したデータを保存し、撮影した画像をCorel DRAWに取り込みます。
(Windowsの場合、画面のスクリーンショット「PRINTSCREEN」機能だけでも十分です)
Corel DRAWに画像を貼り付けたら、FlowScapeのアプリケーションは閉じても問題ありません。
Corel DRAWで使った画像のトレース
FlowScapeで撮影した画像をCorel DRAWに貼り付けます。 画像を貼り付けたら、その画像をベクターデータに変換して細かい修正を加えることができます。 Corel DRAWには強力な画像トレース機能があり、どんな画像でもワンクリックでトレースできます。
トレースしたい画像を選択し、画面上のメニューからビットマップを選択します。 Corel DRAWのトレース機能にはクイックトレース、中心線、輪郭などがあり、 シンプルな画像や複雑な画像によって選択肢が異なります。
上の図では、輪郭を使ってトレースしており、元の画像よりも油絵や水彩画のイラストのような風合いになっています。
トレースを始めると、トレースの進行状況に応じて処理に時間がかかる場合があります。 画像の複雑さやコンピュータのスペックによって異なります。
トレースした画像の編集
トレースした画像はグループ化された曲線の集まりです。 編集するには、メニューからオブジェクト→グループ化→グループ解除を選択し、不要な曲線を削除したり、色や形状を修正したりできます。上の例では、空の青い部分を削除しながら全体の形状を整えている作業です。
自然の風景を作る場合、直線や曲線のパーツを作っておくと便利です。葉や木の形状をランダムに配置し、同じ形状を連続して使わないようにすると違和感を減らすことができます。
また、際立たせたいラインや凹凸を表現したい場合には、ハイライトや影を加えるのもおすすめです。
装飾やテキストを加えて仕上げる
最後に、グラデーションのかかった背景や円のオブジェクト、テキストを追加してデザインを仕上げます。
今回は「自然」をテーマにし、全体のバランスを考えつつシンプルにデザインしました。
Corel DRAWのトレース機能とFlowScapeの魅力を活かして、自分だけの素敵なデザインを作り上げてみてください。 この記事がCorel DRAWやFlowScapeに興味を持ってもらえれば幸いです。
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